週末。
みんながクラブの列に並ぶ頃。
キャシーはハッテン場に向かいます。
淫乱なオカマねっ!
どんだけ溜まってんのよ!
とか言われようが、仕事だから溜まってなくても行くんです。
何をするのかっていうと。
ハッテン場で用意された部屋に入って。
コンドームとパンフレットを用意して、ハッテン中の人たちとお話をします。
トロントのハッテン場は実にサービスが充実してて。
キャシーみたいなAIDSコミュニティーのスタッフにいろいろ相談できたり。
プロのカウンセラーとお話ができたり、HIVの検査だってできちゃいます。
常勤しているわけではないので、みんながみんなアクセスできるわけではないのが残念だけど。
そんなハッテン場の中で、話したがる人なんて居るの?
って思う人も居るかもしれませんが。
キャシーはハッテン場内に置いていないローションも無料で配っているので。
ローション目当てにキャシーを尋ねる人がいっぱい。
ハッテン場に居れば、いろんな人が会うわけで。
実際、数時間があっという間に経ってしまうほど、面白かったりする。
「今日全然可愛い子居ないんだけど!」
ってキャシーに愚痴を言いに来る人も居れば。
「ねぇ、お仕事の後、ちょっとしようよ?」
とかナンパしてくる人も居れば。
「ちょっと、もっと大きいサイズのコンドームないの?」
とかいろいろリクエストしてくる人も居れば。
「タオルどこに返せばいいの?」
とかスタッフだって勘違いしてくる人も居ます。
いろいろ悩み相談されることも多くて。
「彼氏が全然見つからない。」
「セックスの最中に勃起しないから、ドラッグに頼っちゃう。」
「妻も子供も居て、ここに来るのが凄く罪悪感になってつらい。」
などなど、小さいものから深刻なものまで様々。
キャシーのお仕事は、そんな彼らの話を聞いてあげて、最適なサービスを紹介することです。
それ以外に、気まずい人に会ったりすることも多くて。
知り合いとか、友達がこの前デートしてた人とかに、普通に会うわけ。
向こうはキャシーに会うなんて思ってもないから、ビックリして逃げちゃうし。
キャシーは秘密を厳守をしなきゃいけないので、噂話を立てるわけでもないのに。
もう次に会ったときには、凄く冷たい態度を取られちゃったりします。
ああ。悲しい。
あと、絡まれることも多くて。
「コンドーム配ってるだけで、お給料もらってんの?」
とか喧嘩売られたりします。
いやいや。
コンドーム配ってるだけの仕事なら。
残業代も出ないのに、毎日遅くまで残って仕事してないですから!
それでも満面の笑顔で。
「あなたの健康のために、サービスをお届けするのが僕の仕事です。」
って接客業で鍛えたスキルを披露するあてくし。
それでもこの仕事が好きなのは。
「いつもお疲れ様!」
「いつもありがとう!」
って笑顔で言ってくれる人が居るからかしら。
やっぱり、人の役に立ててるってステキなことです。
キャシーの週末が犠牲になってもいいから。
みんなに健康で、気持ち良いセックスをたくさんして欲しいわ。
で、たまにはキャシーにも分けてね・・・。
地味に。
キャシーのお仕事って。
ポルノ制作会社の次に、おちんちんをたくさん見れちゃうお仕事なのかも。
そんなわけで。
お仕事の後は、いつもおちんちんでお腹いっぱい(響きが・・・)
だから何もする気にならず、真っ直ぐ家に帰っちゃうあたしです。