先週の日曜日の夜。
トロントのゲイタウンから10分ほど外れた交差点で。
27歳のゲイ男性が暴行され、命を落とす事件が起きました。
報道では、ただの殺人事件とされていますが。
ゲイコミュニティー内では、ヘイトクライムだと声を荒げる人も居ます。
ヘイトクライムとは。
偏見や差別、蔑視によって起こる犯罪で。
セックスワーカー、ゲイ、トランスは特に狙われやすい存在でもあって。
キャシーでさえ、暗い路地裏を1人で歩くときは、できるだけゲイだってわかる装飾品はしまいます。
北米では、ヘイトクライムは一般の犯罪よりも重く罰せられるケースが多く。
ただ今、トロント警察はこの殺人事件の動機を探り続けています。
そんな昨晩。
トロントのゲイタウンに、約1000人以上の人が集まりました。
みんな手にろうそくを掲げ。
27歳の死を弔うように、ゲイタウンの中心から、殺人現場まで歩きました。
キャシーも一緒にマーチをしましたが。
プライドのマーチとは違って、それは静寂に包まれていて。
コミュニティー内に広がる不安やショックを感じました。
殺人現場は本当に路地裏でもない、ただの交差点で。
こんな場所で殺されるなんて、非常に怖くなりました。
もし、これがヘイトクライムなら、明日自分に起こったっておかしくないんです。
Facebook上の呼びかけから始まったこのマーチですが。
1000人以上も集まるなんて、本当にこのコミュニティーの団結力には驚かされます。
警察もサポートしてくれて、チャーチ通りは一時的に閉鎖されるほどでした。
この事件が、どんな理由で起きたのかまだわかっていませんが。
キャシーは海外の友達からもメールをもらっていて。
「一番先進的なトロントで、そんな事件が起こるなんて・・・。」
と驚きを隠せないようでした。
21世紀、人権問題では最も先進的なレベルのトロントでさえ。
自分のあるままに道を歩くことが、まだ簡単にできないなんて。
なんだか非常に悲しい事実に改めて気付かされました。
こんな悲しい事件が起きなくなる日はいつか来るのでしょうか。