ちょうど、トロントプライドで開催された3つのパレードを紹介したので。
その違いから垣間見れた、トロントのクィアコミュニティーの問題でも取り上げようと思います。
キャシーが良く使う。
LGBTとか、セクシュアルマイノリティーとか。
性的少数者とかって便利な言葉たちがあるんですが。
これらの言葉は、クィアコミュニティー全体を指す言葉としてよく使われています。
ゲイだって、レズビアンだって、トランスだって、みんな一緒に括ってるんです。
でも、私のコミュニティー内を見てみると、そんな風に乱暴に括れるわけはなくて。
そこには抱える問題の違いやパワーバランスが、確かに存在します。
ゲイは、たとえ性的少数者でも。
一番社会で認知されていて、男性という恩恵もあって、クィアコミュニティーでも一番特権があって。
レズビアンは、ゲイと同じ同性愛者でも。
女性が抱える社会問題も同時に抱えていて、ゲイコミュニティーに比べると肩身が狭い。
トランスジェンダーというと。
もう抱える問題がまったく違っていて、まだまだ可視化も理解も遅れていて。
さらに、インターセックスとか、アセクシュアルとか。
もっと社会的に認識されていないコミュニティーが続いていきます。
たまに、ゲイ男性で。
「レズビアンとかトランスとか気持ち悪いし、ゲイクラブに来るなよ。」
とか言っている人が居ると、本当に胸が痛みます。
こんなにリベラルなトロントでさえ。
クィアコミュニティーは深刻な問題を抱えています。
その問題点は、今回開かれた3つのパレードの特長にもなっていて。
例えば。
ゲイが中心となるプライドパレードは。
もはや政治的な色合いはわずかになって。
ほとんどが大手企業の広告と化してしまって。
ただのマッチョなお兄さんや、オシャレなドラァグクイーンが踊るものになってしまいました。
そこからレインボーやゲイのシンボルを取れば、もはやただのパレードです。
もちろん、そういったスポンサーの広告で資本を得ているからこそ。
こうしてパレードが盛り上がって、人も集まって、コミュニティーにお金が行き渡るわけで。
そう簡単に否定はできないことも承知の上です。
それに比べて。
ダイクマーチは規模が劣るものの、もっと政治色やコミュニティー色が強く。
その方向性や、問題意識もずっとハッキリしています。
今年より開始されたトランスマーチは。
プライドパレードやダイクマーチとは違い。
ヤング通りではなく、クィアコミュニティーの内部、チャーチ通りを行進しました。
きっと、ヤン通りを通行止めにできなかっただけだとは思いますが。
トランス嫌悪が根強いコミュニティー内を歩くことに、意味合いを感じました。
近い将来、トランスマーチもコミュニティー外へとメッセージを発信するため、ヤング通りを歩くことになるでしょう。
パレードの規模の違い。
その盛り上がり方、メッセージ性、歩く場所によって。
いろんなことが見えてきませんか?
キャシーが感じたのは。
日本で東京プライドパレードや関西レインボーマーチを歩いた感覚は。
とても今回のトランスマーチに似ていたこと。
キャシーって今まで、プライドパレードといえば。
「セクシュアルマイノリティーはここに居るんだよ!」
ってメッセージを送るものだとしか考えてきませんでしたが。
今回のトロントのプライドパレードを歩くときは。
「僕は見世物じゃなくて、
プライドを祝福するためにここに居るんだよ!」
ってメッセージを胸に込めて。
観客の目をしっかり見据えて。
「ハッピー・プライド!!!」
って思い切り叫び続けました。
陽気で、お祭りみたいなプライドですが。
こんなことも垣間見れて、書かなくちゃと思って、書いた次第です。
CP24というニュース番組のプライドのスローガンで。
「あなたにとって、プライドはどんなことを意味しますか?」
って毎日流れていたんですが。
いいスローガンだなと、今更思いました。