キャシー。
プライドトロントの前夜祭のステージで、パフォーマンスの誘いが来てて、いろいろ考えてます。
先日、ジュディー・ガーランドの『オズの魔法使い』見たばかりだし。
日本語で、その挿入歌である『Over The Rainbow』でも歌おうかと思ってます。
キャシーが歌?!え?
って思う方がいっぱい居ると思うんですが。
あたし、鈴木亜美くらい歌がうまいのよ!!!
(わかりずらい!)
音の外し方に関しては、職人的な域に達しつつある彼女。
でもまぁ。
イケメンアジア人のお兄さんなら、ちょっと歌が下手でも許してくれるし。
(相変わらず、自分で言います)
あとセクシー浴衣姿で、サービスもすれば。
みんなあたしの肉体に注目して、歌とかどうでもよくなるでしょ?
って、そしたら歌う意味がないわね。
でも、ちょっと良いアイデアだと思わない?
日本語で歌うことで、トロントの他民族性を強調して。
さらに歌が定番だから、歌詞が理解できなくても問題ないっていう!
でも、さすがに歌が下手なのは問題だから。
あたし、この前トロント大学の演劇スクールに入ってる友達に頼んで。
ちょっと夜のウェルズリー駅の横の公園で、ベンチに座ってボイトレしようとしたの。
この友達。
顔立ちも整ってて、個性もあって、ダンスが凄くうまくて、演技もできちゃうの。
だからあたし。
「あんた大学で歌の練習もしてるんでしょう?ちょっとキャシー鍛えて。」
って頼んだのよ。
そしたら、友達の顔色が変わって。
「え・・・。あ・・・。あのね。僕ね。歌だけ歌えないの。」
って言い出して。
彼ったら。
ボイストレーニングを4ヶ月受けたにもかかわらず。
未だに音が外れちゃうんだとか。
キャシー。
演劇スクールの人で音外すって、プロレベルの話なのかと思って。
「とりあえず歌ってみてよ。」
頼んだの。
それで彼、大きく息を吸い込んで。
歌を歌う準備して、あと一歩で歌うところで。
「あたしこんなことできない!!!」
って大声で叫んで、あたしの膝に倒れこんだの!
横の道を歩いてた人たち。
みんなあたしの方を向いて、凄い表情で見られちゃったわ。
あんたね~。
ここ、ゲイタウンの横の薄暗い公園よ。
そんなこと叫んだら、あたしが変態プレイを強制したみたいになるじゃない。
しかもさすが演技派、こういうときだけは被害者になりきるんだから!
って、その後も懲りずに数回叫ばれて。
もうゲイタウンのみんなにキャシーが変態だと思われた頃。
彼やっと歌ってくれたわ。
うん・・・。
壮絶な音痴。
お世辞もでないくらいひどかったわ。
こりゃ。
「あたしこんなことできない!!!」
ってあれだけ叫ぶだけの歌声だわよ。
こんなにイケメンで、ダンスもあんなに出来るし、演劇スクールにも行ってるのに。
天は二物を与えないって体現しちゃったわね。
当てにしてたのに。
これじゃキャシーは誰に歌を教わればいいの?
こうなったら。
彼を従えて、コンビで出場しようかしら。
こんだけの音痴と歌えば、あたしの音痴だってバレないわ!
と、腹黒なキャシーでした。