長いことかかって、やっとメル友になった。
キャシーが一目惚れしたあの男の子。
とりあえず、前回のメールのやり取りで。
独身じゃないかもしれないことが判明し。
さらに、まだゲイかノンケかもわからず。
この2つを自然に導き出そうとメールでがんばるキャシー。
「どこから来たの?」
「アゼルバイジャン。」
アゼルバイジャン!?
どこ?そんな国聞いたこと無いわ。
って地理が苦手すぎて、グーグルで必死に調査に励むキャシー。
で、なんとか知識を身に付けて。
「アゼルバイジャン!凄いね!じゃ、ロシア語しゃべるの?」
「うん。だから英語もちょっとロシア語のアクセント入ってんの。」
って会話を進めて。
なんとかゲイかどうかを聞き出そうと。
「なんでトランスジェンダー学なんて履修してるの?」
って聞いたら。
「心理学を専攻中だから、いろいろ詳しくない問題についても勉強したいの。」
って答えられて、収穫ゼロ。
で、向こうから。
「何勉強してるの?」
って聞かれて。
「人材マネジメント。」
って答えると。
「それ卒業したら、日本帰るの?」
って、あたしの進路まで気にし出す彼。
これは・・・まさか?
とかテンションあがって。
「日本はどうかな?こっちならゲイアクティビストとしての経験を生かせるし。」
ってゲイアピールしたら。
「日本はあんまりゲイにオープンじゃないの?」
と聞いてくる彼。
これはチャンス!
って思って。
「日本は全然だよ。君の国は?」
って、ゲイかどうか聞き出す気まんまんのキャシー。
そして、帰ってきた返事。
「僕の国も全然ダメだったよ。それがカナダに来た理由でもあるんだ。」
キタ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!
って、パソコンモニターの前でガッツポーズするあたし!
やっぱり、ゲイだったのね!
これで壁一個突破だわ。
って喜びながら。
メールの続きを読むと。
「僕はもうカナダに来てから5年経っていて、今年の夏に5年間同棲した彼氏と結婚して、カナダ国籍を取るんだ。君はカナダ国籍とか取りたくないの?」
って・・・おおおい!!!!!!!!!!!!
彼氏!?
5年間同棲!?
夏に結婚!?
キャシー、その場で砕けたわ。
入る隙もありゃしないじゃない。
これって。プライド・トロントのときに。
まだ全然だった英語で頑張って口説いたお兄さんに。
「もう8年間付き合ってるパートナーがいるんだ。」
って言われたときと同じやるせなさだわ。
誰?
同性婚なんて考えたの?!
とか思わず八つ当たりしたくなったわ。
そんなわけで。
キャシーの恋は儚く散って。
その15分後には、ハッテン場へ行く準備をるんるんとしてたあたし。
立ち直り早っ!
次よ!次!