たとえば。
就職活動の面接で。
「学生の間に励んだことは?」
って聞かれて。
「サッカーサークルを立ち上げて、4年間運営してきました。」
と。
「ゲイサークルを立ち上げて、4年間運営してきました。」
なんかじゃ、印象が大違いですよね?
もしかしたら。
サッカーサークルの実情はただの飲み会サークルで。
ゲイサークルの実情が社会運動サークルだったとしても。
外から見えるのは、「ゲイ」という履歴だけだったりします。
ここ最近。
トロントのパンセクシュアル(全性愛)クラブで働く友人に。
「キャシー、うちのクラブにインターンシップに来なさいよ!」
とか誘われて。
「えええ~~~!!!」
って戸惑いつつ。
常にセックスショーやら、際どいパーティが繰り広げられるあそこで。
いったい何のインターンシップをさせられるのかって興味津々だったり。
でも実際問題。
このインターンシップ、何になるの?
就職するときに、パンセクシュアルクラブでイベント運営のインターンしてたってアピールして。
「どんなイベント?」
「セックスパーティ。」
とか答えた時点でアウトよね。
先日。
かなり年上の友人から真剣な顔で。
「キャシー、自分の履歴に気をつけなさい?」
って言われて。
「どういう意味?」
って聞いたら。
「今、あなたがやっているボランティアも、その他の活動も、評価をするどころか、軽蔑する人が居るのよ。」
「若いから楽しむのはいいけど、将来への影響も忘れちゃダメよ。」
とマジメに言われました。
たしかに。
ボランティアならまだしも。
これから、就職でゲイ関連の仕事に就いたとして。
その履歴は、永久に残っていくものなのよね。
キャシーの友人も。
エイズコミュニティーの男性同性愛者向けの活動をコーディネートする仕事と。
銀行っていう保守的な職場での仕事を両立していて。
きっと見えない苦労がいっぱいあるんだと思います。
リベラルで、多文化共存主義のカナダといえども。
「ゲイ」と「エイズ」、そして「セックス」は、未だに闇の中のものなのです。
その友人。
先日、水疱瘡にかかって病院に行って。
お医者さんに。
「あなたの年齢で、水疱瘡にかかるのは、免疫が衰えているのでは?」
「HIV検査を受けましょう。」
って勧められて。
キャシーの友人。
「自分、エイズコミュニティーに勤めていて。」
「去年末に検査受けていて、陰性でしたし。」
「AIDSの発病もしてるわけないので、HIVによる免疫の低下は無いはずです。」
って反論したところ。
そのお医者さん。
「エイズコミュニティー!?」
「ならなおさらAIDSの可能性が高いです。検査を受けましょう!」
って言い放ったんだとか。
そんな短絡的なアホお医者さんで、その後も言い合いがずっと続いたそうで。
友人は頭に来て、病院に後で苦情を出したそうです。
結局。
「ゲイ」とか。
「エイズ」とか。
「セックス」って。
人の目を覆っちゃうベールのようなもので。
その後ろにあるものを見えなくさせてしまうんでしょう。
自分の履歴書にびっしりと刻まれた。
この「ゲイ」という履歴、はたしてどのように評価されるんでしょうか。