キャシー、昨日から親戚の家に遊びに来てます。
トロントには親戚がけっこう居て。
いつも、電話で。
「あんた毎日何してんのよ~!遊びに来なさいよ~!」
ってうるさく言われています。
クラブで男と踊ったり。
メイクしてモデルしたり。
ステージでセックスしたり。
とか言うわけにも行かず。
「ごめん。忙しくて・・・。」
って断って。
なかなか遊びに行く気にならないキャシー。
今回は4週間の休暇をいただいているので。
さすがに行かないとまずくて。
かなりイヤイヤながらも、遊びに来ています。
友人たちには。
「明日から監獄に閉じ込められちゃうの・・・。」
ってお姫さまぶって。
大荷物を抱えて、親戚の家に来たキャシー。
キャシー、親戚には誰にもカミングアウトしていないので。
この数日間はノンケのふりをせざる終えません。
カミングアウトすればって?
オープンゲイなんでしょって?
そんなことしたら、今住んでる家から追い出されるわ。
とりあえず、困るのが会話よね。
あんまり嘘をペラペラ並べられないキャシー。
「いつも忙しいって、何してるの?」
って聞かれて。
AIDS啓発活動のことも、パフォーマンスのことも、何も言えないので。
「うーん・・・。友達と遊んでる。」
としか言えないキャシー。
そうすると、説教開始。
「あんたね。お母さんのお金で来てるんだから、遊んでばかりいないの!」
言い返すこともできず。
「はーい。気をつけまーす。」
って、心無い返事で誤魔化します。
これくらいならいいんですが。
「あんた彼女は?」
とか唐突に聞いてきて。
「居ないけど。」
って答えると。
「23歳で彼女居ないなんて大丈夫?」
とか言われて。
大丈夫って何よ!
彼氏だって居ないわよ!
とか頭の中でプンスカしつつ。
「なかなかステキな人が居なくて・・・。」
って誤魔化し。誤魔化し。
さらなる追撃は。
「いつ結婚するつもりなの?」
って。
「あんたもそろそろ仕事に就いて。」
「結婚して、家持って、お母さん楽にしなさいよ。」
ってマシンガンのごとくキャシーの胸に容赦なく。
はぁ・・・。
もう答えるのもバカらしくて。
「うん!がんばる!」
って嘘で固められた笑顔で返しておきました。
晩御飯でテーブルを囲む1時間が拷問のようです。
自分が居心地のいい場所を離れると。
平気でゲイ差別のジョークを耳にするし。
デリカシーの無い他の差別発言もよく聞くし。
「なんでそんなに女々しいの?」
とか罵られます。
女々しいってあんた。
「女」をネガティブな意味として使ってる自覚あるの?
人権意識が低い環境は、身にこたえます。
はたして、慣れなくちゃいけないのか。
言い返すべきなのか・・・。