11月26日、アメリカでこんな映画が公開されました
『ミルク』
え?
牛乳の映画?
もちろん違います。
『ミルク』っていう題名は、世界で最初のオープンなゲイ政治家である。
ハーベイ・ミルクの名前から来ていて、映画も彼の人生を描いたドキュメンタリーです。
しかも、主演はオスカー俳優のショーン・ペン。
彼がこの世界的に有名なゲイ活動家を演じちゃうんです。
来週、トロント大学で上映会がありますので。
キャシーは日本の皆さんより一足早く見ちゃいます!
でも、よく考えたら。
日本ではどういう風に報道されちゃうんでしょうか。
社会問題として、同性愛者とHIVを扱った大作映画なら・・・。
トム・ハンクスの『フィラデルフィア』がありましたが。
今回のように。
ここまでポジティブに、ゲイの解放運動に焦点を当てた大作映画って初めてだと思います。
ちなみに、北米ではこの映画に大注目で・・・。
アカデミー賞が確実視されているほどです。
日本では、来年の春に、アカデミー賞の煽りと共に上映かしら?
日本でヒットするのは難しいでしょうが、その影響力は計り知れません。
ちなみに、本物のハーベイ・ミルクさん。
陽気そうな顔立ちですが、けっこう凄い人だったんですよ。
69年のストーンウォールのデモで、やっと盛り上がりを見せた同性愛者の解放運動でしたが。
ハーベイさんがサンフランシスコの市議会に立候補をし出したのが73年。
たった4年後です。
まだ社会の偏見が根強い時代に、その姿を晒していく勇気には頭が下がります。
73年と75年のサンフランシスコ市議会選挙で、落選した彼ですが。
3度目の正直で、77年に当選。
ここに、世界で初めて、ゲイだと公表した政治家が誕生したというわけです。
当選後、彼は積極的に同性愛者に不利な法律の取り下げに勤めたものの。
当選後1年も満たない78年に、保守派の同僚に暗殺されてしまうのでした。
マーティン・ルーサー・キングしかり、時代の先端に立った開放運動家には残酷な結末が用意されています。
この暗殺がゲイ・コミュニティーに与えた衝撃は計り知れかませんでした。
さらに、その暗殺者であるダン・ホワイトへの懲罰が、たったの8年弱の禁固刑。
この判決に対して、納得がいかなかったゲイ・コミュニティーは。
大規模な暴動を起こし、それはホワイト・ナイトと呼ばれています。
結局、ホワイト氏は85年に自殺。
ハーベイ・ミルクの名は今なおゲイコミュニティーに生き続けています。
ハーベイさんは常にクローゼットから出るように、世界のゲイへと呼びかけていたそうです。
彼自身、暗殺される覚悟の上で、市会議員を務めていて。
こんなテープまで残されています。
「もし一発の銃弾が私の脳に達するようなことがあれば、その銃弾はすべてのクローゼットの扉を破壊するだろう。」
キャシーがこんな風に、楽しくゲイライフを過ごせるのも。
こんな人たちがその道を切り開いてくれたおかげであって。
決して、時間はムダにはできないし、精一杯生きなきゃって気持ちになります。
歴史を学ぶことは、自分の今日を確認すること。
『ミルク』が公開されたら、ぜひ劇場へ足を運んでみては?